2016年11月10日木曜日

HIDENKA a.k.a TENGOKUPLANWORLDインタビュー






「ADOOMがセレクトしたCDやヴァイナルのアーティストにインタビュー」





今回のインタビューは約15年ぶりのソロ・ラップ・アルバムをリリースしたばかりの
HIDENKA a.k.a TENGOKUPLANWORLDです。

その長い音楽遍歴の中で「Garble poor!」「DOOBEEIS」といったグループでラップ•
ブルースを主体とした作品や「HIDENKA x FumitakeTamura」「TENGOKUPLANWO
RLD」名義でのアブストラクト,ブレイクビーツ,主体の作品等、その独自の世界観を構築し、
日本のシーンの中でも類い稀な才能として認知されてきたHIDENKA。

13年前に出会ってから多感な時期を共有して以来、ADOOMでも彼の音源を取り扱っ
ています。今回アルバムリリースにあたって、メールでインタビューさせてもら
いました。このインタビューからHIDENKAをより深く知るきっかけになってもらえた
ら幸いです。








『暗い道照らすにはどうすんだって奏でるのはブルースだと思う。』










ADOOM : 今回のアルバムは全て一人で作ってるんですか?

HIDENKA:はい





ADOOM : マスタリングも?

HIDENKA:できてるかは別として自分の好きな感じを辿りました。確信的ではないけど次のステップへ繋がるような気がしてます。










ADOOM : アルバムを作るにあたって特に意識した事はありますか?

HIDENKA:好きな事を1~10まで構築するという順を踏んだ作り方をしたことです。まあ自分の感覚を信じてみたんです。上には上がいるし今できないことに固まってる場合じゃないんでやっちゃうぜって感じで、でも一番丁寧に製作しバラエティに富んだアルバム作りは目指しました。







ADOOM :  現段階でのベストは確実に更新されてますよね。

HIDENKA:そうですね、その瞬間からまた道が拓けてずーっと続くんだなって思いましたね。





ADOOM : 今回のアルバムを作り終えてみて、何を想い、感じていますか?

HIDENKA:いやあ先は長い。時間の使い方や頭も足もがっちり使わないと井の中のままだと思いました。あと一人で動く為に自分の色全開な感じが出せて良かった。あと勉強が洗練が1番難しいこれを今後に活かせなきゃ意味がない。





ADOOM : その謙虚な姿勢が今回のクオリティーを裏付けていると思いますけども。

HIDENKA:上には上がいるし、自分をしっかり出していかなきゃだし誰かにはなれないしもっと知らないとですね。












ADOOM : どんなインスピレーションをもとに曲を作る事が多いですか?

HIDENKA:怒りはもちろん喜怒哀楽がピークにあるときは曲が生まれます。
あと音楽レベルの高いものに触発されてる時も多くあります。







ADOOM : 普段ジャンルは関係なく何でも聞くほうですか?

HIDENKA:そーですね。なんでも聞く。





ADOOM : ここ最近HIDENKAの中で気になるジャンルとかってありますか?

HIDENKA: 最新の機材とかで作ったHIPHOPやテクノですね。凄く興味あります。













ADOOM : 音楽の情報はどんな所から得る事が多いですか?

HIDENKA:今はオンラインストアがあるのが助かりますね。あとはレンタル、現場のDJがかけてるやつとか、そのままレコード借りちゃったりして、レコード買いにも行くし。新譜も聞くし探す気になれば昔より見つけやすいですよね今は。










ADOOM : 他に類を見ない独自のフローとブルースはどうやって生まれたんでしょうか?

HIDENKA:俺自身がリズムを掴んだ時の無呼吸走法なんで自然な感じなのか、今までの挑戦の結果なのか自身ではもっと唄いたいなと思ってる。ブルースは夢のせいで現実やらなきゃいけないことや社会との摩擦にどう振る舞えるかって。言葉で自分を救ったりしてるんで、どうすっかなって哀愁が漂うときはありますね。基本一人なんで孤独をどう活かそうかはみんなと同じなんじゃないかなって思う。一生懸命やってたって邪魔する奴は現れるし、そういうの超えてね行かないと笑えないし立ち向かってても時折見えちゃう遠い目とか、暗い道照らすにはどうすんだって奏でるのはブルースだと思う。






ADOOM : 今回のアルバムは自分もだいぶ発奮させられたし救われた。ストレートに熱いものが伝わってきますね。

HIDENKA : ずーっと今までは内心より響きや遊びに比重を置いていた言葉選びだったけど311から俺を包んだ世界を振りほどきたくてより言葉が強く剥き出しになった この気持ちや世界観は隠したらダメだと思って。これで次はまた違うアプローチが出来るからやって良かったですね。









ADOOM : ところで今回はレコードからもサンプリングしている?

HIDENKA:もちろん。






ADOOM : よく行くレコードショップとかありますか?

HIDENKA:御茶ノ水のジャニスはよく行く。西荻のサンレコ高円寺や中野のレアとかいい店は沢山あるからなあ気分転換に色々いく。









ADOOM : 自身でアートワークを手掛ける事もあるそうですが、コンスタントに製作してたりするんでしょうか?

HIDENKA:アートワークはアイディアが生まれた時や思いつきで作ってます。基本音楽やリリック中心の生活で音楽はアイディアがなくても音をさわってる。














ADOOM : 今回のアルバム•アートワークを手掛けた大森庸平くん(Yohey from mocrock)とはどういう関係?

HIDENKA:20年くらの仲で気の合うアーティストです。20代前半にMPC2000を借りたり、俺のHIPHOP LIFEには欠かせないBboyですね。












ADOOM : 庸平くんとは一緒にジンも作ってましたよね。

HIDENKA:ノリですね、そういう気分になり作りました。





大森庸平(Yohey from mocrock)と共同製作されたジン

Yohey from mocrock & TPW Hidenka-RED/BLUE/DOG (ZINE)







ADOOM : 影響を受けた人物は?

HIDENKA:HIPHOP大事にしてる人たちにはいつも影響受けてますね。
個人名で言ったらきりがないほどいます。あとマジでその道で生きていこうとしてる職人達はかっこいいですね。








ADOOM : HIDENKAにとってHIPHOPとは?

HIDENKA:生きる術、炎のような、植木鉢のような、妻のような。





ADOOM : いま音楽以外で最も興味ある事は?

HIDENKA : 美味しい食べ物





ADOOM : 最後に一言 このインタビューを読んでくれている人達にメッセージをもらえたらです。

HIDENKA:
このアルバムを言葉じゃ説明できないから
実際聞いて欲しい
俺は渡るぜリアリティーバイツ
グッドバイブス配布
聞いた上で
また出会えたら嬉しいです。
yeah ポジティブバイブレーション!





HIDENKA  
今後のライブスケジュール

11.18(金)  青山蜂の21th aniva

11.20(日)  静岡 街の音楽祭

11.27(日)  青山蜂 Dayparty

12 . 2(金)  ブラックギャラリー 恵比寿

12.24(土)  会津karan堂

12.29(木)  京都メトロ


















TENGOKU PLAN WORLD /HIDENKA WEB















 


2015年11月3日火曜日

yamp kolt インタビュー

 「ADOOMがセレクトしたCDやヴァイナルのアーティストにインタビューしよう!」
前回はHA〜HAさんでした
http://cemetery-records.com/wp/disc_sotto

第二弾の今回は、HA〜HAのアルバム『sotto』をプロデュースし、 自身もミュージシャンとして多岐に渡り活動を続ける『yamp kolt』



題して


『 yamp kolt インタビューを読んで、またインタビュー』


 yamp kolt(ヤンプ・コルト)さんと出会ったのは2006年の長岡市。 その頃は『藤乃家舞』『mai fujinoya』でしたが、2009年に改名したそうです。当時、友人の島岡くんとイノさんのプロジェクトで楽曲制作を依頼していたのがヤンプさんで、 二人の所に遊びにいった時に紹介されたのが最初でした。 
 当時とても貴重な時間を共有して以来ADOOMでも氏の音源を取り扱っています。
 2015年3月18日に、ニューアルバム『チュウイング/yamp kolt』をリリースして、雑誌だけではなく、ネットにも幾つかインタビューが載りました。 今回は、『ヤンプさんの過去のインタビューを読んで、感じた事を質問してみる』 という少し変わった趣旨でお話しつつ、 ヤンプ・コルトさんのつくる音楽、 また、 人となりを知ってもらえるきっかけになればうれしいです! では!

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ADOOM:
yampさんの最新アルバム『チュウイング』の2曲目『ひだまり』で、HA~HAさんは歌っていますけど、
お二人の交流は長いのでしょうか?


『チュウイング/yamp kolt』のジャケット写真



yamp kolt:
いえ、沖縄に来てから知りました。
僕がUAのバンドでベースを弾いたイベントに、
HA〜HAは彼女の姉妹4人でやっているグループ
「すぺーすどーたーず」で出演していて。
声がとにかく特徴的で、なんとも言えない安心感を与える感じでした。
お客さんもそういう反応が多かったです。
自分だけではないのだな、と感じました。






ADOOM:
出会った時のエピソード等あれば教えてください。



yamp kolt:
声もそうですが、
マーチンのマホガニーの0017(アコスティックギターです)を弾いて歌っている姿も印象的で、僕から少し遠くに座っていたUAにジェスチャーで「あのシンガーいいね!」みたいにやったら、
UAの口が「ヤンプ好きそうやなあ」って動いたので、ウケました。
UAは以前からHA~HAを知っていたようです。


ADOOM:
「sotto / HA〜HA」の中で、僕が好きだと思ったのは
『星の行方』、『歌は』、『ぐるぐる』、そしてヤンプさん作の『未完成の小麦色』と『ル・ル・ル』です。
『星の行方』の最後の方で小さく「わゎゎゎゎ」ってささやいてる(?)

ところはやけに耳に残っていて印象的だったなぁと。


yamp kolt:
どうもありがとう。
『星の行方』、
HA〜HAが弾き語りで一発録音した演奏に、実は僕がギターを弾いてみたんです。
でも、悪くないんだけど、すごい良くなった、とも感じなくて。。。
「ベストは『弾き語り』のままだな」って。
逆に「ミックスしない」事によって、最後の「わゎゎゎゎ」が細かい感じまで生で聴こえて。
僕も「わゎゎゎゎ」、好きです。






ADOOM:
ではこのへんで、本題の
『 yamp kolt インタビューを読んで、またインタビュー』に行ってみたいと思います。





ADOOM:
ヤンプさんの、webのインタビューを読んだときに、
インタビュアーの質問に対して、話が二転三転しても、また戻ったりするじゃないですか? 短時間の会話の中での記憶の整理整頓の凄さって言うんですかね。 
それは単純に記憶力が凄いってことに直結するのかな?と。


 yamp kolt:
「他のインタビューありき」って初めてかも笑。なんか新鮮だね。 
「その時の風景」とか「香り」とか、それらが自分のどこかに「ペタっ」て
貼り付いたような事は、 後になって、全然関係ない時にでも、自分の中のどこかから
出て来たりするんだ。 みんなもそうじゃないかな?
もしかしたら細かい所は思い違いだったりするのかもしれないけど、、、
そういう小さい事柄と事柄が結ばれていく感じが、自分でも楽しいのかも。
だから「記憶力」は悪いけど、「物覚え」はいい、って感じかも笑。
自分の曲でも、出来たそばから忘れてゆくよ笑。


 ADOOM:
「記憶力」と「物覚え」の違いってなんなんですかね?


 yamp kolt:
「記憶力」って、 例えば「規則性の無い数字の羅列を一目見ただけで憶えられる」とか、 「ちらっと本を読んだくらいで徳川将軍を代々全員言える」笑、って感じかな。

「物覚え」っていうのは、 「ああ~、あの日の夕焼け綺麗だったなあ~、
そう言えばあれは友達のニョン君のバイクでニケツしてる時に見た夕陽だったなあ。
あ、あの時に二人で食べたナシゴレン美味かったなあ」みたいな感じ。


 ADOOM:
なるほど。あと、ヤンプさんの知識量もすごいなと。そして経験からの分析力。
自分と比較するとあり得ないレベルだなと、驚きます。
自分は忘れっぽいタイプなんで笑。


 yamp kolt:
僕だって、憶えてる事しか憶えてないよ笑! なんかね、
人間は全部の事を記憶してるんだって、ホントは。
で、そこに「たどり着けるかどうか?」「思い出せるかどうか?」って事らしいよ。
例えば「香り」とか「風景」とか、何かがきっかけで、
 突然、昔の事を思い出したりするみたい。


 ADOOM:
あ、記憶の話で思い出したんですけど、過去の作品『Hanger-on-off-Kingdom』の 
ジャケットは、記憶のアーカイブを眺めてるようなイメージで、
あのアルバム何度も聞きました。


 yamp kolt:
ありがとう! 嬉しい! 「Hanger-on-off-Kingdom」は結果的にはそうかも。
 ロンドンのアラブ人街で、目的無くどんどん録音しちゃって。 日本に帰って、それらの音源を並べてみたらアルバムっぽかった。 旅行で写真撮って、家に帰って眺めてみる感じかな。「あ、これ写真集になるかも笑!」みたいな感じ。
 だから確かに「記憶のアーカイブ」って事かもね。でもね「録音した時の記憶」は、ほとんど無いんだよね笑。大元のデータがなくちゃった曲とかもあって笑、
自分でも「どうやったんだろう?」って曲も結構あるかな。


 ADOOM:

また絶妙なジャケットですね。 




 yamp kolt:
志賀理江子さんというカメラマンで、
「Hanger-on-off-Kingdom」の前作の「far」のジャケで悩んでいた時に、
志賀さんの写真に出会って、素晴らしくて、一発でお願いしました。
で、志賀さんはその時ロンドンに住んでいて、僕がNYでのレコーディングの後に行こうと思ってたら、レコーディング直後に倒れてしまって行けなくなって、で、治ってから行ったら、志賀さんがメチャメチャいそがしい時期になっていて笑、
「far」のジャケ写が遅れて、

 『far/mai fujinoya』のジャケット写真




で、待っている期間、何かに取りつかれたみたいに録音しまくっちゃったんだ。
アルバムを録音する予定なんてなかったんです。


 ADOOM:
最新作「チュウイング」に収録されてる’’phantom ship’’は 
ヴァージョンが違いますけど「Hanger-on-off-Kingdom」にも収録されてますね。 



[MV] " phantom ship (縁日ヴァージョン)(feat. UA) " from Album『チュウイング』



 yamp kolt:
全然違うでしょ笑。今回のヴァージョンが出来た時、自分でも聴いて笑いました。
 実は、全然違う曲の為につくったガムランの演奏に、カンで、ズバっと歌を入れたら、
バッチリでした。 こういうHip Hop的なやり方も好き。
「リアレンジ」とか、こういう「偶然必然」好きかも。


 ADOOM:
音楽のみならずそういうハマり方はもの作りの楽しい一面ですね。


 yamp kolt:
最近ね「ココナッツ・オイル」が好きで、前から好きだったんだけど、
でも、限定的な使い方しかしてなくて。 たまたまココナッツ・オイルを頂いて、
色んな使い方してみたら、 バター代わり、っていうのが多かったんです。バター、スゴく好きだったんだけど、使わなくなっちゃった。ココナッツ・オイルは、火を通さずに生で食べるのが美味いよ。想像もしてなかった。 実験実験。


 ADOOM:
そういう「実験」を音楽でも続けてきて生まれた今回のアルバム「チュウイング」、
最高に素敵でした。 出会った事のない、まさにフレッシュ! 
フレッシュジュースとはうまい事言ったなと感心しました。


 yamp kolt:
ありがとう! きっと、茶会記の福地くんも、喜ぶだろうな笑。 http://www.modalbeats.com/yampsakaiki/


 ADOOM:
解像度の高いオルゴールみたいなイメージもあります。


 yamp kolt:
なんか、、、スゴく嬉しい! うまく言えないけど「伝わった感」があるかも。
オルゴール、好きなんだよね! 冷蔵庫より大きなオルゴールとかあるでしょ。
 ディスクがレコード(ヴァイナル)より大きくて。 あれとか、とても高額だし笑、
置き場も無いし、 でも、長い時間、前に立って見たり、お店の人にディスクかけてもらったり。 ジーンとする。


ADOOM:
CDなんだけどオルゴール、Hi-Fiなアナログ、ヴィンテージみたいな雰囲気。


 yamp kolt:
嬉しいなあ。 「Hi-Fiなアナログ・ヴィンテージ」って、そういうイメージ好きです。
 楽器や、マイクとかの機材をチューニングしてもらう時に、モディファイしてくれる人に、「口で言うのは難しいけど、あえて言葉で音のイメージを言うなら、、、」って
時は、 「Hi-Fiなアナログ・ヴィンテージ」って言ってきたかも。
そういう無理なお願いして来たかな笑。
 今回の『チュウイング』から、古いアナログ機材も、新しいデジタル機材もどちらも使って、録音、ミックスだけじゃなくてマスタリングも自分でして、DSDも、WAVのハイレゾ(192/96/48)配信も始めました。
前作「yes」もDSDとかのマスタリングをやっていて、リリースしたばかりです。


『yes/yamp kolt』のジャケット

[MV] " 絵のクイーン 張り子のキング (feat. UA) " from Album『yes』


 ADOOM:
CDで聞いただけでも凄く音いいのにDSDまで!


 yamp kolt:
「CDの音スゴくいい」って言ってもらえて、それも嬉しいです!
今って、ホントに音楽を聴く環境がそれぞれでしょ。
カーステならCDか携帯電話が多いかな。 DJはヴァイナルにこだわるか、
っていうと最近はMP3でやってるDJもいるし、
オーストラリアとかのインディーズだとカセットテープのブームがあったり。
出来る事はやりたいです。
 (ハイレゾ「チュウイング」配信サイト)
http://ototoy.jp/_/default/a/113028http://www.e-onkyo.com/search/search.aspx?q=yamp+kolt 



 ADOOM:
今、ヴァイナルの話が出てきましたけど、 
過去に一枚だけ7インチレコードをリリースしてますよね?



 yamp kolt:
あれはね、「far」をリリースする時に、
別の作家が「インスタレーションとして使用したい」って事があって。
 実は結局、インスタレーションは無しになってしまい、アナログ盤だけ超限定でリリースする事になったんです。このジャケット、僕が描いた油絵です。


 disc_7inch_m.jpg side A : Q&K, Fake Queen, Empty King side B : don’t need a hundred sheep (sold out)



 ADOOM:
ヤンプさんのアルバムには毎回たくさんの方が参加していて 
ただならぬ「人との縁」を勝手に感じてます。



 yamp kolt:
確かに「出会い」ってスゴいよね。みつる君とだって「出会い」でしょ。
 全く知らなかった島岡君が僕に連絡をくれて出会って、それで「gold leaf」をつくったから、みつる君にも出会えた。「御縁」には、感謝です。

『gold leaf/mai fujinoya』のジャケット


「人との縁」の話でね、
例えば、前作「yes」収録の「南国色男 feat.原田郁子」だけど、
友達が何かの集まりで撮影していたヴィデオの中の僕が「南国色男~」と鼻歌を歌っているのに、そのヴィデオを見て気が付いて。自分で歌っているのに、それまで自分で気付いていなかったんです。「いい曲じゃん」と思って、続きをつくっていたら、
「これは原田郁子ちゃんに歌って欲しいな」と思う様になって。
でも、過去に一緒に演奏した事もなく、知り合いでもないし。
 で、曲をつくり終えた日、出会ったばかりの画家の個展のオープニングがあって見に行きました。1枚の絵をゆっくり見ていたら、横で同じ絵を見ている人が居て、それが原田郁子ちゃんでした。 結構すんごい話でしょ。 原田郁子ちゃんがメンバーであるクラムボンの「サラウンド」って曲、好きです。
「あなただって わたしだって だれとだって会えるよ きっと」ってトコを聴くと、
 毎回泣きそうになります笑。 
「奇跡のような縁を信じる」というところから始まっているように思います。
いつも「会いたい人には会える」と信じていなければ。 そのドアを開けたらそこに、
その人が立ってるのに、そのドアを開けなければ、、、って感じます。
 毎日そう信じて、自分の好きな何かをやっていれば、シンプルに楽しいと思います。


 ADOOM:
こういう気持ちとか姿勢はヤンプさんの魅力の一つだと思うし、 僕が個人的に惹かれる人って、ポジティブな考え方、雰囲気を感じる人が多いように思います。 
また、今回の「チュウイング」は、協力しあって一丸となってる感じがして、
強い団結力みたいなものを感じました。


 yamp kolt:
そう感じてもらえれば嬉しいです。 参加してくれるメンバーには、いつも感謝です。
 他のアルバムも、そういう目線で聴いてもらえたら、
きっとまた違った感じでも聴こえると思います。


 『サノバラウド/藤乃家舞』のジャケット




『dance on white/mai fujinoya』のジャケット



 ADOOM:
このへんでニューアルバム「チュウイング」に話を戻して、今回全体的に明るい曲が多い中で''トリック・コリアンダー''という 迷宮っぽくもあり不穏な雰囲気(一方的なイメージですけど)の曲がありますね。アルバム「サノバラウド」にも通じるベースが強調された曲ですけど。 迷宮みたいな雰囲気好きです。


 yamp kolt:
「トリック•コリアンダー」のみ、さやちゃん(テニスコーツ)との共作です。
さやちゃんと一緒にやるライヴのリハで、アルバムではチェロに弾いてもらっているラインをベースで弾いたら、さやちゃんが「ちょうどこれに合うメロディを、こないだ想いついてた」って言って「フィッ・フィッ・フォ〜」って歌い始めてくれて。
そしたら「フィッ・フィッ・フォ〜」に「トリック・コリアンダー」って歌詞が浮かんで。確かに、電気ベースをバリバリ弾いているのはこの曲だけかもね。
スガダイローのピアノもスゴいよね!
 結局、ドラム、ベース、ギターは自分で弾いちゃいました。
 「迷宮みたい」っていうのも嬉しいです。


 ADOOM :
また「チュウイング」から個人的に一曲選ぶとしたら、1曲目の「ナヒミ」です。


 MV/ " ナヒミ (feat.トンチ) / yamp kolt "




 yamp kolt:
「ナヒミ」の事は、こっちでも話してるよね。 http://www.cinra.net/interview/201503-yampkolt 

20年以上前に出来た曲なんです。 実は、ミックスに一番難航しました。
まさに船旅(笑)。今回は「自分でマスタリングまでやろう」という強い気持ちがあったので、ミックスの時からマスタリングの事もイメージしながら出来たんですけど、
引越したので、慣れるのに時間がかかって。 スピーカーのセンターの音と、
左右の音のバランスが、どうしても「ナヒミ」だけ合わなくて。
で、 東京では車の運転してなくて。沖縄に来て乗るようになって、カーステを聴くようになって。「日常で一番音楽を聴くのはこのカーステだな」って気づいて、
左右の感覚だけ、カーステで聴いてグイッとバランスを取ってみたら、
 新しいスタジオでの録音やミックスのポイントが掴めて。思えば、この曲に先導してもらってミックスが進んだので、ホント「1曲目」って感じです。
 オマケの話があって、本当に役に立ってくれたこのカーステ、
「チュウイング」の発売日3/18に壊れたんです笑。
 これも言わば「縁」ですよね。 それまで音を聴かせてくれたカーステに感謝です!

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 今回はここまでです! 

気になった方は沖縄に飛ぶもよし! ADOOMには、yamp koltさんの過去のタイトルも揃っているので、 『チュウイング』とあわせて、ぜひ聞いてもらえたらと思います。 ヤンプさんの音源は店頭で視聴できるので、店頭でぜひ一声かけてくださいね!



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“ yamp kolt “ プロフィール


音楽家。音楽を愛し、特にインプロヴィゼイション(即興)とポップ・ミュージックを好む。


ベーシスト、シンガー、プロデューサー、ギタリスト、作曲家、作詞家、レコーディング・エンジニア、楽器製作(ワイヤフォン、 yamp kolt SPRING)、Mac.ベイスのオリジナル・レコーディング・ソフト”REX”開発、オーガナイズ、リミックス、DJ等、多岐に渡る。


“ yamp kolt “ 名義でのアルバム『チュウイング』(2015)と『yes』(2011)に、様々な女性ゲストシンガーを迎え「yamp kolt風ポップ」テイストが話題となる(UA、やくしまるえつこ、原田郁子(クラムボン)、一十三十一、ACO、こやまよしこ(ex.ネーネーズ)、他。)
“ 藤乃家舞“ 名義(2009年に藤乃家舞からyamp koltに改名)で、『サノバラウド』(2002)、『FAR』(2004)、『Hanger-on-off-Kingdom』(2005)、 『dance on white』(2007)、『gold leaf』(2007)等のソロ・アルバムをリリース。「花火とセッションする」など毎回違うスタイルのアルバムをリリースした。


UAへの楽曲提供とプロデュース(CD『SUN』『golden green』『ATTA』(作曲/プロデュース))、画家の大竹伸朗とのDVD『MOUSE ESCAPE』、DVD『ドレミノテレビ』(NHK)等に様々な形で参加。


マーク・リボーや、ジミ・ヘンドリックス・バンド・オブ・ジプシーズのジェラルド・ベレッツ、バリ・ガムランの 天才集団「スダマニ」等とも共演。
内橋和久、外山明、梅津和時、大倉正之助(重要無形文化財保持者)等と数々のインプロヴィゼイションのセッションを続ける。


映画音楽:『W/O』(音楽監督)、『エレクトリックドラゴン80000V』『五条霊戦記』『空中庭園』 参加、『ねじ式』『殺し屋1』(リミックス)等。
リミックス:『ミーン・マシーン』等。
インスタレーション:『ジャック』(w/志賀理江子)(山口県/YCAM)。


自身のレーベル『Cemetery Records / FAR』主催。



HP.
cemetery-records.com/wp/yampkolt/
www.cemetery-records.com


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2015年10月2日金曜日

HA~HAインタビュー


今回から、不定期ですが、
「ADOOMがセレクトしたCDやヴァイナルのアーティストにインタビューしよう!」
という企画を始めます!


その第一弾は、新人女性シンガーソングライター『HA~HA』(ハーハ)!


[MV] HA~HA(ハーハ) / デビューアルバム『sotto』(全曲ダイジェスト)



新人さんですが、ハナレグミのシングルにコーラスで参加して、武道館でのライブにも出演、
ボブ・マーレーのトリビュートアルバムにリトルテンポのゲストとして参加したり、
ヤンプ・コルト(元、藤乃家舞)のアルバム「チュウイング」に参加。
そのヤンプ・コルトのプロデュースによって今回ファーストアルバム『sotto』をリリースします!
アルバムを聞いて、とても穏やかな気持ちになりました。
やさしくてとても心地いいアルバムですね!
子供にも聞かせてあげたいな~と思いました。




それではインタビュー開始です!


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adoom:
このアルバム『sotto』の雰囲気や世界観は
海に囲まれた沖縄という土地柄や気候の影響もおおきいのかな~と思ったんですが
どうなんでしょう?



HA~HA:
そうですね。ほとんどの曲が沖縄で出来た曲なので
土地、気候の影響はすごくあるとおもいます。
雰囲気、世界観と言われると正直自分ではわからないですが、もともと私は、かなりゆったりな性格なので
南の島で過ごすのはとても合ってる気がするので、そういう世界観に必然的になったのかな?と思います。




adoom:
生まれも育ちも沖縄ですか?



HA~HA:
私は、生まれも育ちも沖縄ではないですが、
今回のアルバムに入ってる曲のほとんどは沖縄生まれ沖縄育ちです。笑




adoom:
出身地はどちらですか?



HA~HA:
生まれたのは神戸で、育ったのは関東です。
関東は、神奈川県、千葉県、東京にも少し住みました。


adoom:
アルバムのプロデューサーである、yamp koltさんとの出会いや、第一印象は?


HA~HA:
UAさんと一緒のイベントに出て歌った時に、ヤンプ・コルトさんはUAさんのバンドでベースを弾いていて、それで歌を聴いて頂いたのが最初だったと思います。
その少し前に、別のイベント会場でお友達のお友達という感じでお会いしてたかも、、、です。


ヤンプさんの第一印象は笑い方に特徴がある方だなと思いました。
そして、年齢不詳で不思議な方だなと。。。笑
adoom:
年齢不詳は同感です。笑


adoom:
音楽に興味を持ったきっかけは?
最も好きな(影響を受けた)アーティストは?、また、過去にどんな音楽を聴いてきたのでしょうか?


HA~HA:
両親は、ミュージシャンではないですが音楽好きで、
私が生まれる前、父はジャマイカとの仕事をして行くうちにレゲエに出会い、
そこから大きい音楽のイベントをやったりするくらいだったので、
物心ついた時から、家でも車でも、レゲエが良くかかっていました。
母もジャズダンスをやっていて教えたりもしていたみたいです。
両親の友達はミュージシャンがとても多かったので、私が小さい頃から家族でライブに行く機会も多く、
自然に興味を持っていたと思います。


一番最初に影響を受けたのは、元BO GUMBOSのボーカルどんとさん。元ZELDAのサヨコさん。
何故だか、私が赤ちゃんくらいの時からよく家に遊びに来ていて、
ビデオとかCDを下さって、見て、聴いて、とにかくかっこ良くて、子供の私はめちゃくちゃハマってしまいました。
なので、どんと一家が遊びに来たら、机をステージにして、ほうき をギター代わりにして良く歌っていました。笑
BO GUMBOSの解散ライブとか、ZELDAのライブを見に行ったこと、
本当に小さかったのですが今でも覚えています。
そこから始まって、どんどん色々なミュージシャンの方々に出会い影響をうけました。


ソウルも好きでした。アレサ・フランクリンと、ダニー・ハサウェイを特に聴いてました。
数年前からここ最近までは、レディオ・ヘッドをよく聴いていました。
とにかくジャンルに関係なく、心に響く音楽が大好きです。
まだまだ知らない音楽も沢山あると思うので、これからも聴いていきたいです。




adoom:
歌い始めたきっかけは?



HA~HA:
一番最初は、子供の時に、どんとが「歌え」って言ってくれたのがきっかけだと思います。
そこからまた時間がたって「姉妹でボブ・マーリー・ソングズ・デーに出たらいいんじゃない?」って
サヨコさんが押してくれて練習してライブに出たり、
どんとが天国へ行ってしまってから「どんとソングズ・デー」っていうのもあったりして、
それに向けて姉妹で練習したりしたのがきっかけです。




adoom:
このアルバム『sotto』を聴いていると沖縄に行きたくなりますし、いつかライブで聴きたいです!


HA~HA:
ありがとうございます。沖縄いい所なので、是非ゆっくりしに遊びに来て下さい!
ライブも是非聴きに来て頂けたらとても嬉しいです!




adoom:
個人的に気に入ったのは、
''歌は''、 ''未完成の小麦色''、''ぐるぐる''、''ル•ル•ル''。
これらの曲は、いつ頃出来た曲なんでしょうか?



HA~HA:
ありがとうございます。
全部、沖縄に来てから出来た歌です。あ、このうちの2曲('未完成の小麦色''、''ル•ル•ル'')はヤンプさん作詞作曲の曲で、この2曲も沖縄で出来た歌だと思います。


このアルバムに入ってる曲の中で、「歌は」と「ぐるぐる」は、わりと最近の曲です。
一年くらい前だったと思います。






adoom:
どのタイミングで聴くのかはその人次第なんでしょうけども
逆にこういうシチュエーションで聴いてもらえたらなっていうのありますか?





HA~HA:
結構眠たくなる歌が多いと思うので(笑)、昼間のゆったりした時間とか、
夜もう寝てもいい状態のリラックスした環境で聴いてもらえたらより嬉しいかもです。
あとは、ドライブでも♪


あと基本的に音楽って出会いだったり発見があったりするので
皆さんの好きなシチュエーションで聴いて頂けたら嬉しいです♪




adoom:
今後のライブスケジュール等あれば教えてください。


HA~HA:
10月7日がリリース日なので、それに合わせて10月は沖縄で弾き語りライブをします。


ライブ情報 10月7日 沖縄 名護BlueTrip
10月10日 沖縄 比地カフェ
10月24日 沖縄 ロギ(Roguii)


11月も沖縄県内の素敵なイベントに呼んで頂いて色々な所で歌います。


11月8日恩納村GOZZA
11月13日那覇Smalls
11月22日今帰仁こくう
11月24日カヌチャホテル


12月は、初めて関西へライブに行きます。


12月3日大阪 
12月4日神戸 北野のHappy Laura
12月7日京都 UrBANGUILD
12月8日京都 ネガポジ


ライブが近くなって詳細が分ったらツイッターやHPに書きます!
HP


adoom:
最後に、聴いて下さるお客さんに何かコメントはありますか?





HA~HA:
どんな時も、どんな時代も、音楽は私達を元気にしてくれる不思議な力がありますよね。
私は、そんな音楽に支えられている一人です。
そして、そんな私が歌った歌で、もし少しでも皆さんがリラックス出来たり元気になったりしたら嬉しいなと思います。
そして、今回私の初のソロ・アルバムを聴いて下さり本当にありがとうございます!と、素直にお礼をお伝えしたいです。


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今回はメールインタビューという事で、HA〜HAさん本人にはお会いしてませんが
インタビュー中、ご本人も話してたように、そのゆったりとした性格が素直に表れた
優しく、やわらかいとてもリラックスした雰囲気の素敵なアルバムです!
ADOOMにも入荷するので、気になった方はぜひ店頭で一声かけてくださいね!


次回は、今回のアルバム『sotto / HA~HA』のプロデューサーでもあり、adoomも長いお付き合いのある、
yamp koltさんを予定しています!
お楽しみに!



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HA〜HA (ハーハ)
女性シンガー・ソングライター。ギターで弾き語りをする。
幼少の時から歌が好きで、どんと(ex.ボ・ガンボス)のソロライブの前座などで歌う。 多彩な女性シンガーが参加したCD『チュウイング/yamp kolt』の「ひだまり」にフィーチャリング・シンガーとして参加。 ハナレグミのシングル「光と影」、Little Tempo のボブ・マーリー・トリビュート・アルバム「Rainbow Country」にコーラスで参加。 ハナレグミの武道館ライヴ(TOURあいのわ/2009)や、ohana、仰木亮彦(gui. / 在日ファンク)とのライヴにも参加。
自らの実の四人姉妹のユニット” すぺーすどーたーず”でも活動(CD「すぺーすどーたーず」(2011))。
ソロライヴを重ね、2015年10月7日に待望のソロ・アルバムをリリース。

10月7日発売 デビュー・アルバム『sotto / HA〜HA』
https://www.youtube.com/watch?v=qLT20KTIHZc


ほぼ全曲をHA〜HAが作詞・作曲をし、プロデューサーはUAら女性シンガーへの楽曲提供やプロデュースに定評のあるyamp kolt。
素晴らしいミュージシャンたちとの出会いによって生まれた奇跡のソロ・デビュー・アルバム!
素直な歌詞とシンプルなメロディー、やわらかで心地よい歌声が、yamp koltの手によりさらに光を増し、HA~HA独自の世界を作り出してゆきます。


参加メンバーは、青柳拓次(gui.)(LITTLE CREATURES) / 内橋和久(gui.) / 大野由美子(steelpan)(Buffalo Daughter) / Gideon Juckes(tuba) /Lamine “YOUL” DIABATE(african Percussion) /米須雄作(timpani) /Yugen(cello)。


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[素敵なコメントいただきました。]


『よそゆきでない言葉をよそゆきでない声で紡ぐ、こんな歌だけが心に届く夜はみんなにきっとあるはずだ。』/ユザーン


『「眠れる音楽」とかいうタイトルで売られているCDにかぎって、ちゃんと寝られたためしがないんですが(笑)、このアルバム聴いたら、すごく素直な気持ちでよく寝られました!』/Bose(スチャダラパー)


『HA~HAちゃんの胸キュンボイス。甘く気だるくデトックス。海に帰りたくなるの。』/一十三十一


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[収録曲]
hikari
そっとおもう
歌は
未完成の小麦色
ぐるぐる
飛び出したら
ここ
ル・ル・ル
星の行方
空色


定価 ¥2,315 + tax
Cemetery Records / FAR 

Tuff Beats
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